破滅派の代表取締役を務める高橋文樹と申します。

私は大学生在学中に小説家としてデビューを果たし、「書くこと」を生業にしようと四苦八苦してきました。書き続けることの困難は、作家の通過儀礼のようなものですが、発表のあてのない作品が溜まり続けるたび、どうにかしてこれを発表できないか、という思いが募っていきました。出版こそされていなかったものの、それが発表に値する作品だという強い確信がありました。

やがて、友人たちとオンライン文芸誌「破滅派」を立ち上げました。

私のこの考え方は、創作者によくある自画自賛だと考えることもできます。もしかしたら、私たち破滅派はいまなお思い込みの暗闇の中を突き進んでいるだけなのかもしれません。しかし、創作者の思い込みと呼べるほどの強いモチベーションなくして、新しい作品を世にだすことはできないでしょう。

破滅派は書き手たちがいわゆる「プロダクトアウト」のスタイルで世に作品を発表していくことをその活動の原点に置いています。法人化もその創作活動の一環として必要だからというのが正直なところです。手弁当から始まった”Do It Yourself”の活動を継続的な経済活動にしていこと。自分達が信じる作品の価値を時代のニーズにあわせて世に届けること。それが破滅派の存在意義です。

新しい時代には、新しい文芸が、きっとある。

私はそう信じています。